1日で1メートル近く伸びる植物がある 竹は地球上で最も成長の速い植物だ。秘密は、新しい筍の中に将来持つすべての節がすでに形づくられ、地中で折りたたまれていること。成長とは、根に蓄えた膨大なエネルギーを使って、その細胞がただ伸びていくだけのことだ。条件が整えば、モウソウチクは1日で約91センチも伸びたと記録され、最高記録は24時間で120センチ近くに達した。
地球で一番背の高い草は、木ではない 見た目はすっかり木材だが、竹は草であり、木ではなく、コムギや芝と同じ仲間だ。草の特徴がそろっている――中空で節のある茎、根元からの成長、地下茎として這う根。ただ、家を見下ろすほど高くそびえる草というだけのことだ。その中空で節に分かれたつくりこそ、重さのわりに軽く、そして丈夫である理由でもある。
竹の幹は、一生分の太さで生まれてくる 木の幹は年々太くなり、年輪を重ねていく。竹は決してそうしない。竹の稈は最初から最大の太さで地面から顔を出し、数か月でただ最終的な高さまで伸びるだけ。あとは一生、まったく同じ太さのままだ。竹には、木を太らせる成長層である形成層がない。だから鉛筆のように細い稈は細いまま、太い稈は初日から太かったのだ。
竹はある種まるごと、一度だけ花を咲かせて枯れることがある 多くの竹は、人の一生に匹敵する周期で花を咲かせる。ある種はおよそ120年に一度しか咲かず、咲くときには世界中で同じ種の株がほぼ一斉に開花し、種をつけ、力尽きてともに枯れる。一度きりのこの戦略は一回繁殖開花と呼ばれ、竹林は突然の同時多発的な終わりを迎えるまで、1世紀以上も花をつけず青々と立ち続けることがある。
この竹が実をつけると、飢饉がやってくる インド北東部の丘陵地帯では、ある竹がおよそ48年ごとに花を咲かせ、その大量の実が災厄の引き金を引く。ネズミが突然あふれた種を貪り食って爆発的に繁殖し、種が尽きると、膨れ上がったネズミの大群は農民の作物や穀倉に襲いかかる。マウタムと呼ばれるこの周期は、1863年、1911年、1959年、2007年と時計のように訪れ、そのたびにネズミの大発生と飢えをもたらしてきた。
最初の爆竹は、火にくべた竹そのものだった 火薬が生まれるはるか昔、人々は青竹を火に投げ込んでは破裂音を楽しんだ。中空の節ごとに閉じ込められた空気と樹液が熱せられ、圧力が高まり、大きな音とともに竹を弾けさせる。爆竹を表す中国語は今も「爆ぜる竹」を意味し、その初期の破裂音は厄を追い払うために鳴らされた。後に火薬を詰めた筒が登場すると、それはそのまま古い名前を受け継いだ。
高層ビルは今も竹の足場に包まれる 竹の中空で仕切られた節は、軽いのに硬くしなやかな管をつくる――自然がこしらえた足場用のパイプだ。香港では今も職人が高層ビルの周りに竹を組んでそびえる足場を築き、ボルトを一本も使わず手で縛り上げる。鋼材に比べて組み上げは約6倍、解体は12倍速く、費用はわずかで済み、硬い鋼材なら折れかねない台風の中でもしなってこらえる。
10階建てのビルほども伸びる草がある 東南アジアの巨大な竹は、現存する最大の草だ。その木質の稈はふつう約30メートル、ビル10階分に達し、太さは皿ほど、直径28センチにもなる。インド北東部のある株は42メートルと測定された。その竹林に立てば、あなたは周りのほとんどの木を見下ろすほど高くそびえる、たった一本の途方もない草の葉を見上げていることになる。