黄色い元素が隠す8つのこと

DC·219 Deep Cuts
硫黄の黄色は8原子の王冠型リングから生まれる

硫黄の黄色は8原子の王冠型リングから生まれる

天然硫黄の鮮やかなレモンイエローは、染みでも染料でもなく、分子の形そのものだ。この元素の安定な形はシクロオクタ硫黄、つまり8個の硫黄原子がしわのある王冠型のリングに閉じ込められたものだ。そのリングが積み重なって柔らかな結晶になり、青い光を吸って黄色を返す。純粋な硫黄は実はかすかな緑がかった黄色で、いつもの鮮やかなカナリア色は混ざった7原子リングのわずかな痕跡から来ている。
「ブリムストーン」は燃える石を意味し、青く燃える

「ブリムストーン」は燃える石を意味し、青く燃える

「ブリムストーン」は硫黄を指す古い英語にすぎず、文字どおり「燃える石」だ。スプーン一杯に火をつけると血のように赤い液体に溶け、やがて不気味でほとんど幽霊のような青い炎を上げて燃え、むせ返るような二酸化硫黄を放つ。その青い輝きは化学発光で、熱だけでなく燃焼反応そのものが直接生み出す光だ。喉を刺すあの鋭い匂いは、煙を上げる火山の噴気孔の上に漂うものと同じだ。
純粋な硫黄は無臭、腐った卵の悪臭は気体

純粋な硫黄は無臭、腐った卵の悪臭は気体

硫黄は、自分にはない匂いの濡れ衣を着せられている。純粋な元素状の硫黄はまったくの無臭だ。あの悪名高い腐った卵の悪臭は硫化水素で、細菌が硫黄化合物を分解するときに生じる気体であり、鼻はそれに驚くほど敏感で、10億分の1をはるかに下回る濃度でも嗅ぎ取る。残酷なことに、高く危険な濃度になるとこの気体は嗅覚を麻痺させ、最も重要なまさにそのときに警告をやめてしまう。
火山の噴気孔は気体から直接、黄色い硫黄を育てる

火山の噴気孔は気体から直接、黄色い硫黄を育てる

火山の噴気孔を縁取る鮮やかな黄色い殻は、溶けた岩だったことは一度もなく、気体から直接凝結したものだ。硫黄の気体が支配する噴気孔はソルファタラと呼ばれる。熱い蒸気が冷たい空気に触れると、液体の段階をまるごと飛ばして直接固体の硫黄へと凍りつく。これは昇華と呼ばれる跳躍だ。結晶は針一本ずつ積み上がり、蒸気がしゅうしゅうと噴き続けるなか、縁を鋭いレモン色とオレンジ色に塗り上げていく。
硫黄の結合が髪に強さとカールを与える

硫黄の結合が髪に強さとカールを与える

髪をつなぎとめ、そして美容室がその形を作り変えられるのは、硫黄のおかげだ。髪はケラチンで、その重さの約5%が硫黄であり、隣り合うタンパク質の鎖を強い硫黄どうしの結合で橋渡しするシステインの単位に含まれている。パーマは化学的にその橋を切り、髪を曲げ、新しい形で再びつなぎ直すことで効く。一本の髪を燃やせばそれらを一度に全部切ることになり、あの刺すような悪臭は解き放たれた硫黄だ。
天然ガスは無臭、警告のために硫黄が加えられる

天然ガスは無臭、警告のために硫黄が加えられる

コンロから漂う「ガスの匂い」は、意図的に組み込まれた安全装置だ。天然ガスはもともと無臭・無色なので、メルカプタンと呼ばれる硫黄化合物をごく少量混ぜて、あの紛れもない腐ったような警告臭をつけている。この対策は悲劇から生まれた。1937年、無臭で気づかれなかった漏れがテキサスの学校を吹き飛ばし、300人近くが亡くなったあと、ガスに硫黄系の付臭剤を加えることがほどなく法で義務づけられた。
地下の硫黄は過熱した水で採掘された

地下の硫黄は過熱した水で採掘された

一世紀のあいだ、硫黄は誰一人地下へ送ることなく地面から取り出された。入れ子になった3本の管を埋もれた鉱床に打ち込み、約165℃の過熱した水を送り込んで硫黄を溶かす。硫黄はおよそ115℃で液化する。そして圧縮空気が溶けた黄色を泡立てながら中央の管を通して地表へ押し上げ、そこで純粋で鮮やかな塊に固まる。1894年に完成したこの手法は、硫黄を掘り出す希少な鉱物から、あふれるほどの産物へと変えた。
ニンニクの刺激は、切られたときに作る硫黄の武器

ニンニクの刺激は、切られたときに作る硫黄の武器

丸ごとのニンニクのひとかけはほとんど無臭で、その強烈さは傷つけられて初めて発動する化学兵器だ。ひとかけは無害な硫黄化合物と酵素を別々の区画にしまっている。すりつぶすか噛むかすると両者が混ざり、数秒のうちに酵素がアリシンを作り上げる。これがニンニクをぴりっとさせる、熱く刺激的な硫黄分子だ。これは植物の防御であり、まさに自分を噛むものを追い払うための化学的な警報なのだ。
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