飛び込みのための内蔵ゴーグル 飛び込むカワセミは、目をほぼ開けたまま高速で水面に突っ込む。衝突の瞬間、透明な第三のまぶたが両目を覆い、ゴーグルのように角膜を保護する。それぞれの目には中心窩が二つあり、最も鋭く見える領域が二か所ある。急降下しながら、空中で狙うための中心窩から水中用の中心窩へと切り替え、最後まで魚にピントを合わせ続ける。
なぜいつも魚を頭から飲み込むのか カワセミが獲物をその場で丸呑みすることはめったにない。魚をとまり木に持ち帰り、枝に激しく叩きつけて気絶させ、喉に刺さりかねない鋭い背びれの棘を折る。それから魚を回して頭から飲み込むので、鱗やひれは引っかからずに、下りていくときに平らに畳まれる。棘のある魚が途中で詰まったまま死んでいるカワセミも見つかっている。
最大のカワセミはヘビを狩る オーストラリアのワライカワセミは現存する最も重いカワセミで、魚にはほとんど口をつけない。昆虫やトカゲ、小型哺乳類、そして有名なところではヘビを食べる陸の狩人で、ヘビは枝に叩きつけて仕留める。夜明けに響く笑うような大合唱は、実は一家の縄張りの林を主張する縄張りの鳴き声だ。地味な茶色とクリーム色で、青のきらめきはまったくない。
魚の骨で敷き詰められた巣 カワセミは木に巣を作らず、トンネルを掘る。つがいは何もない川岸に60〜90センチのまっすぐな穴を掘り、その奥が産室になる。柔らかい敷物はなく、代わりに床は食べた魚の吐き戻した骨や鱗で少しずつ敷き詰められていく。ひなが巣立つころには、産室は湿った悪臭を放つ魚の残骸の山になっている。臭いが、水はけはよい。
なぜ穏やかな日々を「halcyon days(ハルシオン・デイズ)」と呼ぶのか 「halcyon days(穏やかな日々)」という言い回しは、まさにカワセミに由来する。ギリシャ神話で、悲しみに暮れた女性アルキュオネは、カワセミを指す古い言葉「ハルシオン」に姿を変えられ、神々は彼女が波の上で安全に巣を作れるよう、毎年冬の海を二週間のあいだ凪がせた。その真冬の凪いだ日々が鳥の名を留め、今も穏やかで黄金色の安らぎの時期を指す言葉として使われている。
ここではメスのほうが鮮やかな装い ほとんどの鳥ではオスのほうが華やかだ。北アメリカのアメリカヤマセミはそれを逆転させる。雌雄ともに石板色の青で胸に青い帯があるが、メスにはオスにはない二本目のさび色の帯が腹を横切り、メスのほうが色鮮やかな性になる。これは逆の性的二形と呼ばれるまれな逆転で、生物学者にも今なお完全には説明できない。
開けた水面の上で空中に静止する ほとんどのカワセミは魚を捕るためのとまり木を必要とする。白黒のヒメヤマセミは違う。本当の意味でホバリングできる数少ない鳥の一種で、翼を羽ばたかせて空中の一点に何秒も静止し、下の水面を見渡してから、たたんで急降下する。そのおかげで、枝から遠く離れた湖や河口の真ん中で狩りができ、小さな獲物なら降り立たずに飲み込むこともできる。
ほとんどのカワセミは魚を捕らない その名前が当てはまるのはごく一部だけだ。約114種のカワセミのうち、半分以上は森の奥に暮らし、魚に特化することはない。昆虫やミミズ、トカゲ、カエルを狩り、しばしば水辺からは遠く離れている。多くは青色ですらない。川沿いを矢のように飛ぶ、宝石のように輝く漁師は例外だ。典型的なカワセミは、葉の上のバッタをさっと捕らえる地味な森の鳥である。