ウサギは食べ物を二度食べる ウサギの腸は巧みな技を使う。植物繊維は一度では消化しにくいため、ウサギは盲腸という袋でそれを発酵させ、たいてい夜に、柔らかく光沢のある特別な糞「盲腸便」を出す。ウサギはそれを放置せず、すぐに食べてしまい、半分消化された食べ物をもう一度通すことで、最初に作られたタンパク質やビタミンB群、腸内細菌を吸収する。私たちが目にする乾いた丸い糞こそが、本当の残りかすだ。
ノウサギの赤ちゃんは走れる状態で生まれる ウサギとノウサギは生まれた瞬間にはっきり分かれる。アナウサギの子は目も見えず、毛もなく無力な状態で生まれ、毛を敷きつめた巣穴に何週間も隠される。ノウサギの子はその逆で、約42日というより長い妊娠を経て、毛が生えそろい、目も開き、ほぼすぐに動ける状態で生まれてくる。ノウサギは穴を掘らないので、そうでなければならないのだ。子ノウサギは地上の浅い草のくぼみに一頭で残され、母親が授乳に戻るまで、じっと動かず保護色に頼って身を守る。
ウサギは齧歯類ではない、歯が物語る ウサギを齧歯類だと思いがちだが、歯を見てほしい。2本の大きな上の門歯の後ろには、もう一対の小さな「ペグ歯」があり、これは齧歯類にはない特徴だ。だからこそウサギは独自のグループ、ウサギ目(重歯目)に属する。ウサギの28本の歯はすべて根が開いていて伸び続け、門歯は週に約2ミリ伸びる。硬い草や干し草を絶えずかじることで、ちょうどよい長さまですり減らしている。
ウサギは構造上、吐くことができない ウサギは吐けない。吐かないのではなく、吐けないのだ。食道と胃のつなぎ目にある筋肉の弁は異常に強く一方通行で、食べ物を下へは通すが決して上へは戻さない栓のように働く。しかもウサギには逆流を引き起こす嘔吐反射がない。何があっても食事を体内にとどめるが、その代償もある。飲み込んだ有害なものを吐き戻せないのだ。だからウサギの生存はすべて、一方向にしか動いてはならない腸にかかっている。
ウサギはほぼ真後ろまで見える 頭の両側の高い位置に飛び出した目があるおかげで、ウサギはほぼ360度の視界をとらえ、振り向かなくても頭上を通り過ぎるタカに気づくほどだ。その代わり、頑固な死角が一つある。鼻と口のすぐ前にある小さな円錐形の範囲だ。だからウサギが葉をかじるまさにその瞬間、実はそれを見ることができない。その間近な世界は、においと、長く敏感なひげや唇の感触だけで判断しているのだ。
メスのウサギは交尾したときだけ排卵する 「ウサギのように繁殖する」という言い回しには、本当の生物学的根拠がある。メスのウサギには、決まった周期で卵子を放出する月ごとのサイクルがない。代わりに彼女は「交尾排卵動物」だ。交尾という行為そのものがホルモンの急増を引き起こし、約10時間後に排卵する。だからほぼすべての交尾が妊娠につながりうる。1か月ほどの妊娠期間と多産な一腹と相まって、この必要に応じた繁殖力が、たった一度の暖かい季節でウサギの数を爆発的に増やすのだ。
ノウサギは妊娠中にさらに妊娠できる ヨーロッパヤブノウサギは、繁殖の基本ルールを曲げてしまう。妊娠後期に、メスはもう一度交尾して、最初の子が生まれる前に二度目の一腹を身ごもることができる。これは「重複妊娠(過受胎)」と呼ばれる現象だ。新しい胚はいったん待機し、最初の一腹が生まれてから数日のうちに着床する。つまり出産の時点で、次の妊娠はすでに4日進んでいるのだ。こうして一腹を重ねることで、ノウサギは一度の繁殖期に約3分の1多くの子を育てられる。
ジャックラビットの耳は放熱器 砂漠のジャックラビットの巨大な耳は、主に聞くためではなく、体を冷やすためにある。薄い耳には皮膚のすぐ下に血管が網の目のように走っている。体が熱くなりすぎると、その血管が広がり、温かい血が広大な耳の表面いっぱいに流れ込み、熱を空気中へ放出する。ほんのわずかなそよ風がその熱を運び去り、冷えた血が体へ戻っていく。これは生きた冷房であり、暑い気候の動物ほど大きな耳をもつ傾向があるという大まかな法則にも当てはまる。