最大の陸生動物が目の前に隠している8つのこと

DC·198 Deep Cuts
ゾウは足で聴く

ゾウは足で聴く

低いうなり声には、埋もれたもう一つの声が潜んでいる。同じ呼び声が地面を揺らすのだ。ゾウの足は圧力を感じるパチニ小体で満ちており、振動は脚の骨を伝って鼓膜を飛び越し、骨伝導で直接内耳へと届く。この地面の波はおよそ20ヘルツで伝わり、数キロメートル離れた群れにまで届く。こうしてゾウは遠くの嵐や、遠くの家族を、足の裏で感じ取る。
ゾウがめったに癌にならない理由

ゾウがめったに癌にならない理由

細胞が多ければ癌も増えるはずなのに、巨大で長生きのゾウはほとんど癌にならない。これは「ペトのパラドックス」と呼ばれる謎だ。答えはそのDNAに隠れている。アフリカゾウは腫瘍を抑える遺伝子TP53を20個持っているが、私たちはたった1個しかない。これほど多くのコピーが見張っているため、遺伝子に損傷を受けた細胞は腫瘍になる危険を冒すより先に、ただちに自滅するよう命じられ、癌は始まる前に消し去られる。
ゾウはたった一匹のミツバチから逃げる

ゾウはたった一匹のミツバチから逃げる

あれほど大きな体でありながら、ゾウはミツバチを恐れる。目や耳、鼻の周りの柔らかい皮膚を刺されると本当に痛いのだ。ゾウは群れに退却を促す特別な低い警戒のうなり声まで発し、怒ったミツバチの録音を流すと家族全体が逃げ出す。ゾウの生息地の近くの農家は今では生きた蜂の巣を柵の針金に沿って吊るしている。ある長期研究では、畑を荒らそうとするゾウのうち押し通ったのはわずか約7パーセントで、しかも管理者は蜂蜜も収穫できる。
ゾウは互いを名前で呼ぶ

ゾウは互いを名前で呼ぶ

ケニアでの数十年にわたる録音を聴き込んだ研究者たちは、ゾウが互いに対し、個体ごとに固有のうなり声、つまり名前に近いもので呼びかけていることを発見した。イルカやオウムと違い、相手自身の鳴き声を真似るのではなく、一頭ごとに別々の音を生み出す。自分の名前を含むうなり声を再生すると、ゾウは耳をそばだてて応え、ほかの個体に向けられた呼びかけのときよりずっと早くスピーカーに近づいてくる。
骨が一本もない鼻

骨が一本もない鼻

ゾウの鼻には骨も関節も一つもない。それは舌やタコの腕と同じ、骨のない筋肉だけでできた「筋肉性静水骨格」だ。わずかな数の主要な筋肉が数万もの細かな繊維の束に分かれ、驚くほど自在に動く。木を根こそぎ引き抜く同じ鼻が、指先のような突起で一本の草の葉を巻き取ることもできる。アフリカゾウはこの掴むための突起を二つ、アジアゾウは一つだけ持っている。
ゾウの皮膚は無数のひび割れの迷路

ゾウの皮膚は無数のひび割れの迷路

間近で見ると、ゾウの灰色の皮膚は無数の細い溝が織りなす緻密な格子模様だ。これは曲げてできたしわではない。もろい皮膚の外層が厚くなり続け、ついには幅1ミリメートルほどの割れ目の網目に裂けるのだ。この割れ目は重要で、水や泥を捕らえ、なめらかな皮膚の最大10倍もの量を保つ。ゾウはほとんど汗をかかないため、この張りついた膜がゆっくり蒸発することこそが、体温の上がりすぎを防ぐ仕組みなのだ。
ゾウは隠れた6本目の指で歩く

ゾウは隠れた6本目の指で歩く

ゾウは足の裏全体で立っているように見えるが、実はつま先立ちで、かかとは弾力のある脂肪の大きなくさびに支えられて持ち上がっている。その脂肪のクッションを支えているのは意外なもの、6本目の指だ。長らく軟骨の塊だと片づけられてきたこの後ろ向きの骨の棒は、2011年に余分な指のように働くことが示された。足のクッションを支え、数トンもある動物が足の裏でほとんど音もなく歩けるようにしているのだ。これはゾウが成長するにつれて初めて完全に骨へと硬くなる。
陸上で最も長い妊娠

陸上で最も長い妊娠

陸上の動物でゾウほど長く妊娠する者はいない。受胎から出産までおよそ22か月、ほぼ2年に及ぶ。このゆっくりとした成長が、生まれたときにはすでに立って歩き、体重約120キログラムもある巨大で賢い赤ん坊を生み出す。これほど長い投資ゆえに、子は群れにとってかけがえのない存在となり、何十年も子を産み続けられる雌は、出産のたびに叔母や姉妹たちに見守られるのだ。
タップ →↑スワイプで詳しく↓スワイプで終了