巣ごもり中のクマは半年間おしっこをしない 長い冬の巣ごもりのあいだ、4〜7か月もの間、クマは食べず、飲まず、排尿も排便もしない。本来なら溜まっていくはずの尿素で自らを中毒させる代わりに、老廃物を再利用する。腸内細菌が尿素を分解し、放出された窒素が新しいタンパク質へと作り変えられるのだ。このしくみのおかげで、クマは春に筋肉の大部分を保ったまま出てこられる。寝たきりの人間の体には到底できないことだ。
何か月も動かないのに、骨は丈夫なまま 人が何か月も寝たきりになると、骨は薄くなって弱る。ところが冬眠中のクマは、半年近くも巣の中で動かないのに、骨をまったく失わない。骨組織の絶え間ない分解と再構築を抑え、断食しながらもミネラルの均衡を保つのだ。この仕組みを研究する科学者たちは、いつか人間の骨粗しょう症や、宇宙で宇宙飛行士が被る骨量減少の治療に道を開くのではと期待している。
ホッキョクグマは白くなく、皮膚は黒い ホッキョクグマの毛には白い色素がまったく含まれていない。中空で透明な管なのだ。日光が内部で反射してあらゆる色をいっぺんに散乱させ、それを私たちの目は白と捉える。透明な雪が、氷の結晶一つひとつは無色なのに白く見えるのと同じ理屈だ。その無色の毛皮の下で、クマの皮膚は漆黒をしている。北極のわずかな日差しの熱を、少しでも多く吸収するためだ。
メスのクマは妊娠を数か月も止められる メスのクマは初夏に交尾するが、受精した小さな細胞の塊はそのまま子宮の中を漂い、発育は止まったままになる。着床して成長を始めるのは数か月後の秋、しかも授乳しながら冬を越せるだけの脂肪を蓄えられた場合に限られる。餌が乏しく痩せすぎていれば、妊娠は静かに終わる。子を育てる余裕があると分かるまで、その体は決断を待つのだ。
パンダは偽の6本目の親指で竹をつかむ ジャイアントパンダは肉食動物の子孫でありながら、ほぼ竹だけを食べて暮らす。竹の茎を握るために、余分な親指を進化させた。本物の指ではなく、硬いパッドのように突き出した、肥大した手首の骨だ。5本の爪のある指がこの骨の出っ張りに竹を万力のように押しつける。とはいえこの骨はそれ以上大きくなれない。同じ手首が、歩くときには動物の体重を支えなければならないからだ。
このクマはシロアリを大音量で吸い込む あるクマの一種は上の前歯が2本欠けていて、上顎に隙間が空いたままになっている。その隙間をストローのように使うのだ。長い爪でシロアリの塚を裂いて開けると、鼻の穴を閉じ、よく動く長い唇を突き出し、ズルズルと音を立てて虫を吸い上げる。その音はおよそ100メートル先からでも聞こえるほど大きい。肉ではなく昆虫が、この食事の大半を占めている。
黒いクマ2頭から、雪のように白い子が生まれることがある カナダの太平洋岸沖にあるいくつかの島では、ふつうのクロクマがときおりクリーム色がかった白い子を産む。この「スピリットベア」はアルビノでもホッキョクグマでもなく、暗い色素を作らなくする一つの変異遺伝子を2つ持っている。この形質は劣性なので、それぞれ1つずつ持つ黒い毛の両親から白い子が生まれうるのだ。これらの島では、クマの最大で4分の1が白い。
クマはあなたと同じように、かかとからつま先へと歩く ネコやイヌ、オオカミといった四足の狩人の多くは、かかとを高く上げたつま先立ちのまま、指先で走る。クマは違う。足の裏全体を地につけ、かかとから着地して指先へと転がすように、人とまったく同じ歩き方をするのだ。この足裏を平らにつける歩きは遅いが、はるかに安定している。クマがあれほど見事に立ち上がったり、後ろ足で数歩あるいたりできるのは、そのおかげだ。