あの砂浜の砂は、小さな星の形をしている 沖縄のいくつかの浜では、砂粒は砕けた岩ではない。一つひとつの小さな星は、有孔虫という単細胞生物の炭酸カルシウムの殻で、最も有名な種は死んで浜に打ち上げられる前に丸みを帯びた突起を五つか六つ伸ばす。地元の人々はこれを星砂(ほしずな)と呼ぶ。粒によっては、わずか1ミリほどしかない。
サンゴは自前の日焼け止めをつくり、しかも光る サンゴ礁のサンゴには蛍光タンパク質がぎっしり詰まっていて、浅い海に降り注ぐ強烈な青色光と紫外線を吸収し、より柔らかな緑・オレンジ・赤の光として放ち、サンゴとその藻類を日焼けから守っている。夜、サンゴ礁に青い光を当てると、ネオンのように光りだす。これらのタンパク質の仲間は、いまでは生きた細胞を光らせるために研究室で使われている。
サンゴは海の一年ごとの日記をつけている サンゴの群体は、緻密な層と多孔質の層を交互に重ねて石灰質の骨格をつくる。樹木の年輪とまったく同じで、一年に一対だ。柱状に掘り出せば何世紀もさかのぼって数えられ、各層に刻まれた化学組成は、その年の海水温まで記録している。巨大な脳サンゴのなかには、400年を超える途切れない記録を保つものもある。
シャコガイは自分の食べ物を育て、二度と動かない シャコガイは200キログラムを超え、一世紀以上生きることもあるが、幼いうちにサンゴ礁に落ち着くと、その一点に固着したまま生涯を終える。きらめく鮮やかな外套膜は、ただの飾りではない。特殊な細胞がその内部で共生藻を育て、太陽光をきわめて効率よく届けるおかげで、シャコガイは食べ物のほとんどを自前でまかなっている。
国まるごとがサンゴの上に載り、海面すれすれにある モルディブは地球上で最も低く、最も平らな国だ。約1,190の島々は平均してわずか1.5メートルしか海面より高くなく、国じゅうで最も高い自然の地点でも、せいぜい2.4メートルほどしかない。下に岩盤の山があるわけではない。それぞれの島は、何千年もかけて海に沈んだ火山の頂のまわりに育ったサンゴでできている。
この島のお金は、大きすぎて動かせない 太平洋のヤップ島では、富は石貨(ライ)で測られた。中央に穴の空いた石灰岩の円盤で、最大のものは直径4メートル近く、重さ4トンにもなる。この石はヤップでは採れず、約400キロメートル離れた島々で切り出してカヌーで持ち帰った。巨大な貨幣はほとんど動かないので、人々はどれが誰のものかを覚えているだけでよい。
最大の陸生ガニはヤシに登り、ココナッツを割る ヤシガニは陸上を歩く最大の節足動物で、脚を広げると1メートル、体重は4キログラムに達する。ヤシの幹をよじ登り、ココナッツを切り落とし、約3,300ニュートンで締めつけるはさみで殻を割る。これはライオンの咬む力に匹敵する。変化したえらで空気を呼吸するため、海に落ちた成体はかえって溺れてしまう。
地球にわずかしかない緑の砂浜のひとつ ハワイにある4万9千年前の火山砕屑丘のふもとに、オリーブグリーンの砂の入り江がある。砂粒はかんらん石(オリビン)で、溶岩が冷えるとき早い段階でできる宝石のような結晶だ。ふつうの黒い火山礫より密度が高く硬いため、波は軽い砂を沖へ運び去り、重い緑の結晶を湾に積み上げて残す。こうした浜は、世界でも4か所ほどしか知られていない。