足元の土の中に潜む8つのこと

DC·64 Deep Cuts
土ひとさじに、全人類より多くの命がいる

土ひとさじに、全人類より多くの命がいる

健康な土をたったひとさじ取るだけで、その中には地球上の人類よりも多くの微生物がうごめいている。1グラムあたりの細菌は10億から100億と見積もられ、さらに菌類、原生動物、線虫も加わる。これらの生き物は地下に広大なネットワークを張り巡らせ、養分を循環させ、炭素をたくわえ、植物を生かし続けている。ひと握りの土に、全人類を上回る数の命が宿っている。
ダーウィン最後の著書は、ミミズの本だった

ダーウィン最後の著書は、ミミズの本だった

チャールズ・ダーウィンは数十年をミミズの研究に費やし、亡くなる前年の1881年に最後の著書を世に出した。彼の計算では、ミミズは1エーカーあたり年に10トンを超える土を体内に通し、石や遺跡をその新しい糞でゆっくりと埋めていく。彼はミミズを、足元の大地を形づくった歴史上もっとも重要な生き物のひとつと評した。
雨の匂いを、1兆分の5で嗅ぎ分ける

雨の匂いを、1兆分の5で嗅ぎ分ける

雨上がりのあの土の匂いの正体は、放線菌ストレプトミセスがつくるゲオスミンだ。人間の鼻はこれを1兆分の5というごくわずかな濃度でも感じ取り、私たちはこの匂いに驚くほど敏感にできている。雨粒が乾いた土をたたくと、目に見えない粒子が空中へ跳ね上がり、匂いを運んでいく。菌はこの香りで小さな生き物を誘い、胞子を運ばせている。
土が1インチ育つのに、500年かかることもある

土が1インチ育つのに、500年かかることもある

土は、岩が風化し有機物が積み重なるにつれて、もどかしいほどゆっくりと生まれる。自然のままなら、表土がわずか1インチできるのに500年から1,000年かかることもある。ところが農耕や森林破壊による侵食は、その同じ1インチをほんの数十年で削り取ってしまう。私たちは地球が土を作り直す速さをはるかに上回る勢いで土を失っており、それは実質的に再生不能な資源なのだ。
古代アマゾンの人々は、永遠の土をつくり出した

古代アマゾンの人々は、永遠の土をつくり出した

アマゾン各地には、テラ・プレタと呼ばれる豊かな黒土の一帯が点在している。2,000年以上前、先住民が木炭や骨、生活の残りを埋めてつくり出したものだ。まわりの薄く痩せた熱帯雨林の土とは違い、この黒い土は何千年も肥沃さを保ち、しかも自ら再生していくようにすら見える。その木炭は炭素を閉じ込め、活発な微生物の住処となり、現代のバイオ炭農法のヒントにもなっている。
土は、大気と植物を合わせたよりも多くの炭素をたくわえる

土は、大気と植物を合わせたよりも多くの炭素をたくわえる

世界の土壌はおよそ2,500ギガトンの炭素をたくわえており、これは大気中の約3倍、生きているすべての植物と動物が抱える量の約4倍にあたる。土は地球でも有数の巨大な炭素の貯蔵庫なのだ。耕起や劣化で地面がかき乱されると、この炭素が温室効果ガスとして放たれる。健康な土が気候にとって大切なのは、そのためだ。
地球の動物の5匹に4匹は、土の中で暮らす

地球の動物の5匹に4匹は、土の中で暮らす

土の中にすむ小さな線形動物、線虫は、地球上でもっとも数の多い動物だ。2019年の画期的な調査は、地球の土壌に5,700京匹がいると見積もった。生きている動物のおよそ5匹に4匹にあたる。その多くは肉眼では見えないが、合わせれば野生の哺乳類すべてを上回る重さになり、養分が大地をめぐる仕組みを静かに取り仕切っている。
流砂は、人を丸ごと飲み込んだりはできない

流砂は、人を丸ごと飲み込んだりはできない

映画とは違って、流砂に体ごと沈み込むことはできない。流砂の正体は水を含んだただの砂で、人の体はその混合物より密度が低いため、腰のあたりまで沈んだところで浮いてしまう。2005年の研究によれば、はまった足を指を動かすほどの速さで引き抜こうとすると、中型車を持ち上げるのに必要な力――およそ10万ニュートン――がいることもあるという。それでも砂そのものが人を底へ引きずり込むことはない。
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