ホタルはほとんど熱を無駄にしない 炎や電球はエネルギーのほとんどを熱として捨ててしまう。ホタルはその逆で、発光反応のエネルギーのほぼすべてが熱ではなく光になる。精密な実験室の測定では効率はおよそ96パーセントとされ、古い白熱電球の10パーセント未満と対照的だ。だからこそ、光るホタルを手で包んでも何も感じない。この光は、酵素がルシフェリンという分子を酸化させるときに生まれ、エネルギーをほぼすべて冷たい緑がかった光として放つ。
求愛を装って相手を食べるホタルもいる ホタルは種ごとに独自のリズムで光り、それは雄と雌が同じ仲間を見つけるための暗号だ。フォツリス属の雌は、別の種の暗号を解読することを覚えた。フォツリスの雌は別種の雌が返す光をまね、期待した雄を引き寄せ、捕らえて食べてしまう。狙いは食事だけではない。獲物は彼女自身では作れない苦い防御毒を持っており、それを食べることで、その化学的な鎧を奪い、自分の体と卵を守るのだ。
森じゅうのホタルが一斉にまたたく 毎年わずか数夜、アパラチア南部の山々で、ある一種のホタル数千匹が一斉に光る。雄はそれぞれ五から八回の光をひとまとまりに放ち、次に個体群全体が約八秒間暗くなり、また光り出す——森が一つの鼓動を打つように。指揮者が拍子をとるわけではない。それぞれの虫がただ自分のタイミングを隣の仲間に少しずつ合わせ、やがて群れ全体がリズムをそろえる。この光景はおよそ二週間しか続かず、その始まりは気温と土の湿り気で決まる。
ホタルの幼虫はみな、警告として光る 成虫は求愛のために光るが、その輝きはずっと早くから始まっている。知られているホタルの幼虫はすべて光り、種によっては卵まで光る。幼い個体は交尾の合図を送っているのではなく、警告しているのだ。ホタルの幼虫は苦く有毒な化合物を含んでおり、絶え間ない光が、闇で狩る捕食者に手を出すなと告げる。幼虫は刺激を受けると光を強める。この這う光こそが本来のグローワーム(光る虫)であり、虫が翅を得て空へ飛び立つよりずっと前から灯っているのだ。
ホタルの点滅は、ある気体が切り替えている ホタルはどうやってこれほど鮮やかに光を点けたり消したりするのか。引き金は気体だ。神経の信号で発光器の細胞が一酸化窒素を放出し、近くのミトコンドリアの酸素を求める働きを一瞬止める。すると急に余った酸素が発光物質に届き、発光器が輝く。光が生まれた瞬間にその気体の効果が打ち消され、ミトコンドリアが酸素を取り戻し、光はぱっと消える。この点滅は、酸素と気体で動くごく小さな化学的なリレーなのだ。
ホタルの体表が、より明るいLEDを教えてくれた ホタルの発光器は、光を効率よく外へ逃がすように作られている。光る細胞の奥には、大きさのそろった微小な尿酸の粒がびっしり詰まった反射層があり、光を外へ跳ね返す。発光器の表面はまた、工場の屋根が並んだような形のぎざぎざした微細な鱗で覆われており、光を内側へ跳ね返さずに外へ逃がす。技術者はそのぎざぎざ模様をLEDの被膜に写し取り、まったく同じ素子から50パーセント以上も多くの光を取り出した。
ホタル半匹でトカゲを殺せる ホタルのあの苦い毒、ルシブファギンと呼ばれる物質は、ある種のヒキガエルの心臓毒と近い親戚だ。あらゆる動物の細胞が頼るナトリウム・カリウムポンプを止めてしまう。在来の捕食者はその味を避けることを学ぶが、別の大陸から来たペットのトカゲ、たとえばオーストラリアのフトアゴヒゲトカゲにはその本能がない。わずかホタル半匹分でも、成体のフトアゴヒゲトカゲを、しばしば数時間のうちに殺すだけの毒を含んでいる。穏やかに見える光は、文字どおりの警告なのだ。
夕暮れのホタルは、わざと黄色く光る ホタルの光はどれも同じ色ではない。ほぼ完全な闇の中を飛ぶ種は緑に光る傾向があり、薄明かりの時間帯に活動する種はより黄色みを帯びた色で光る。理由はコントラストにあるらしい。夕暮れには空気や葉が緑の光を多く反射するため、緑の信号は背景に紛れてしまうが、より黄色い光は葉むらの中で際立ち、相手に見つけてもらいやすい。虫の目もそれに合わせて調整されており、自分が送ろうとしているまさにその信号をくっきりさせている。