花火の炸裂に隠れた8つのこと

DC·77 Deep Cuts
青は花火でいちばん作るのが難しい色

青は花火でいちばん作るのが難しい色

花火の色は、熱せられた金属塩がそれぞれ固有の色で輝くことで生まれる。青には塩化銅(I)が必要だが、この化合物はおよそ1,200°Cを超えると分解してしまう。一方で花火の星は1,500〜2,000°Cで燃える。だから本物の青はごく狭い温度の窓でしか生き残れない。熱すぎれば色材自体が壊れ、白や緑へとずれていく。深く鮮やかな青が空でいちばん珍しい眺めなのはそのためだ。
金色の火花が金色に輝くのは、いちばん温度が低いから

金色の火花が金色に輝くのは、いちばん温度が低いから

すべての火花が化学反応で色づくわけではない。ただ高温で光っているだけのものもある。線香花火の金色の火花は、わずか1,500°Cほどで燃える炭と鉄の粒子で、だから温かみのある白熱した金色に輝く。アルミニウムやマグネシウム、チタンに替えると粒子は3,000°Cを超え、白く光る。ここでは火花の色は、いわば温度計の目盛りなのだ。
ヒューッと鳴る花火の中に笛は入っていない

ヒューッと鳴る花火の中に笛は入っていない

ヒューッと鳴る花火の中には、リードも笛も入っていない。詰まっているのは有機塩、多くは安息香酸カリウムで、中空の筒の中で速い圧力のパルスを刻みながら燃え、燃焼面の上の開いた空気の柱に定在波をつくる。瓶の口に息を吹きかけるのと同じ仕組みだ。燃焼が下へ進むと柱は長くなり、音程は下がっていく。音はおよそ2,000ヘルツあたりになることが多い。
この火薬のレシピは1780年から変わっていない

この火薬のレシピは1780年から変わっていない

黒色火薬は何世紀ものあいだ、ほとんど変わっていない。古典的な配合は重量比で硝酸カリウム75%、木炭15%、硫黄10%。1780年ごろに定まり、今もそのまま使われている。硝酸塩が酸素を供給し、木炭が燃料となり、硫黄が発火温度を下げて燃焼を速める。これが花火玉を打ち上げ、破裂させる。ほぼすべての花火が今もこれで動いている。
いちばん大きな音の花火には、火薬がほとんど入っていない

いちばん大きな音の花火には、火薬がほとんど入っていない

「雷」と呼ばれる花火玉の耳をつんざく炸裂音は、大量の爆薬のせいではない。正体はフラッシュパウダー、たった二つの成分だ。標準的な配合は質量比でおよそ過塩素酸カリウム65.8%、アルミニウム34.2%で、ほぼ一瞬で爆燃する。殻の内側で生じる圧力の急上昇があの音を生む。玉そのものはほとんど空っぽだ。ごくわずかな量で耳をつんざく。
花火は発射筒をF1カーより速く飛び出す

花火は発射筒をF1カーより速く飛び出す

花火玉は二段階で打ち上げられる。玉の下にある「打ち上げ薬」が、玉を発射筒から毎秒100メートル以上、およそ360km/hで放り出す。スタートを切ったF1カーより速い。上昇中に点火された別の時限導火線が、登りきる頂点近く、ふつう地上50〜200メートルで玉を破裂させる。
いちばんきれいな青は、塩素をヨウ素に置き換える

いちばんきれいな青は、塩素をヨウ素に置き換える

従来の青い花火は塩素に頼っており、燃やすとダイオキシン類やその仲間の化合物が生じることがある。知られている中でも最も毒性の高い物質のひとつだ。2014年、ミュンヘンの化学者たちが、代わりにヨウ化銅(I)で作った青を発表した。塩素を使わず、こうした有毒な副産物も出さずに、澄んだ深い青が得られる。色は古いレシピよりもよく保たれさえした。
落とした発炎筒が山火事を起こすことがある

落とした発炎筒が山火事を起こすことがある

赤い発炎筒は、純粋な火工品だ。およそ191°Cで着火し、その後は15〜30分にわたって最高1,600°Cもの高温で燃える。赤い輝きはストロンチウム塩によるもので、花火を赤く染めるのと同じ化学だ。この熱があるからこそ、乾いた草の上に落とした発炎筒は山火事を起こしうる。これは単なる明かりではなく、制御された火の棒なのだ。
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