空が光と水でつくる八つの現象

DC·185 Deep Cuts
虹は決して届かない完全な円

虹は決して届かない完全な円

虹は空に固定されたアーチではなく、つねに太陽のちょうど反対側の点を中心とし、その中心から約42度の位置に広がる光の円です。地面が円をアーチに切り取っているだけで、高い飛行機からは輪の全体が見えます。そして虹は見る人の立つ位置によって決まるため、決まった場所を持ちません。近づこうと歩けばその分だけ遠ざかり、いつまでも同じ距離を保ちます。
二重の虹のあいだに広がる暗い空

二重の虹のあいだに広がる暗い空

外側に二つ目の淡い虹が現れたら、その二つのあいだの空を見てください。まわりの空よりはっきりと暗くなっています。雨粒は主虹の光を内側へ、副虹の光を外側へ送り出しますが、そのあいだの帯にはほとんど光を送らないため、その部分の空が光に飢えるのです。これは200年ごろに記述され、いまも気づいた人物の名にちなんでアフロディシアスのアレクサンドロスの名で呼ばれています。
光が波であることを証明した淡い縞

光が波であることを証明した淡い縞

虹の紫の縁の内側に、ときどき余分な縞が見えます。ふだんの色の順序には属さない、淡いピンクと緑の帯です。これは雨粒がほぼすべて同じ小さなサイズのときだけ現れ、一粒のなかをわずかに違う道筋で通った光の波が干渉し、ある所では強め合い、別の所では打ち消し合うことで生じます。1804年、この淡い縞はトマス・ヤングに、光が波として進むという最初の証拠を与えました。
自分の影をめぐる虹色の輪

自分の影をめぐる虹色の輪

山頂や飛行機の窓から、下の雲や霧に映った自分の影を見てください。色のついた光の同心円の帯に縁取られていることがあります。外側が赤く、内側が青いのです。これがグローリー(光輪)で、太陽の光が同じ大きさの小さな水滴に入り、その奥側で跳ね返り、一粒ごとに回り込みながらほぼまっすぐあなたのほうへ戻ってくることで生じます。山頂でその輪の中に大きく映る影は、ブロッケンの妖怪と呼ばれます。
太陽をめぐる輪は雨の前ぶれ

太陽をめぐる輪は雨の前ぶれ

太陽や月を取り囲む淡く光る輪は「22度ハロ(暈)」で、高く薄い雲のなかを漂う何百万もの六面体の氷晶によってつくられます。それぞれの氷晶が小さなプリズムのように光を曲げ、その幾何学によって光の大半が22度の方向へ送り出され、ちょうどその半径の輪を描きます。こうした高い雲はしばしば温暖前線の先ぶれとして現れるため、太陽をめぐる輪は古くから雨の近づく合図と読まれてきました。
太陽の両脇に並ぶ二つの偽りの太陽

太陽の両脇に並ぶ二つの偽りの太陽

寒く晴れた日には、明るくほのかに色づいた二つの光点が太陽の両脇に現れることがあります。太陽と同じ高さで、左右それぞれ約22度離れた位置です。これは幻日(げんじつ)で、板状の平たい氷晶が小さな落ち葉のように空気中をほぼ水平に漂い落ちることでできます。それぞれがプリズムのように働き、二つそろって偽りの太陽を描きます。太陽側が赤く、外へ向かうにつれて淡い青へと薄れていきます。
霧のなかに立つ幽霊のような白い虹

霧のなかに立つ幽霊のような白い虹

霧虹は、色を抜かれた虹のように見えます。霧やもやのなかに立つ、幅広く淡い、ほぼ白い光のアーチです。その原因は大きさです。霧の粒はとても小さく、しばしば1ミリの20分の1にも満たず、太陽の光をきれいに分けるには小さすぎます。鋭い色に屈折する代わりに、光は回折して各色の帯をにじませ合い、ほとんど幽霊のように白く光る、淡く幅広い弧を残すのです。
夕暮れに現れる真っ赤な虹

夕暮れに現れる真っ赤な虹

日の出や日の入りに、太陽が地平線すれすれにあるとき、虹はただ一色の深い赤に染まることがあります。太陽の光は大気のなかを長い距離かすめて進み、雨粒に届く前に青や緑や黄が散らされてしまうため、弧を描けるのは赤だけになるのです。細く短命なこの単色の赤い虹は、太陽が地平線から数度のうちにあるときにしか現れません。
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